発売したのに動かない90日|何を見て、何を打つか
発売したのに動かない。この90日をどう使うかで、その商品が2年目に残るかどうかが分かれます。結論から言うと、①90日は「売れたか」を採点する期間ではなく、次に何を変えるかを決める観測期間です。②初月の売上とレビュー件数は判断材料になりません。③そして90日で打てる手は3つだけで、打てない手を諦める判断こそがこの期間の本題です。
初月の数字は「集めた力」であって「商品の力」ではない
発売初月の数字には、事前告知・初回限定価格・既存顧客への案内が乗っています。これを実力と読むと、次の一手を確実に外します。
逆に初月が動かなかった場合も、そのままでは判断できません。「知られていない」のか「知られた上で選ばれていない」のかで意味が正反対だからです。BELTHYが90日の観測でまず分けるのはここで、この切り分けが済むまで商品の良し悪しの話はしません。
90日で見る4つ
- 2回目の購入までの日数:想定した消費ペースと実際がズレていないか。30日分の商品で再購入が55日後なら、途中で置かれています
- 定期便の初回解約率:初回で抜ける割合は、商品ではなく「期待値のつくり方」の通信簿です。LPが盛れているほどここが悪化します
- レビューの割れ方:平均点は見ません。同じ点について賛否が割れているなら、ターゲットが混ざっています
- 問い合わせの中身:件数ではなく種類。「使い方が分からない」が多いのは同梱物の設計不足で、これは処方を触らずに直せます
続く理由は、商品の外側で作る
インナーケアは続かなければ意味がありません。ところが「続けてください」と言って続く人はいません。続かないのは意志の問題ではなく、続ける理由が用意されていないからです。
BELTHYが同梱物を最後の「おまけ」として決めないのは、ここが継続率を動かす場所だからです。設計するのは次のようなものです。
- 使った日を書き込めるカレンダー:続いていることが目に見える。数字より、埋まっていく感覚のほうが効きます
- 目的別の使い方ガイド:同じ商品でも、その人の目的に翻訳して届ける。「自分向けだ」と思えるかどうかで継続は変わります
- 次に届くまでの過ごし方:商品を使っていない時間にも接点を作る
処方を変えなくても、同梱物だけで継続の数字が動くことがあります。ここはターゲットに寄り添って設計できる領域で、しかも発売後でも打てます。
打てる手、打てない手
打てるのは、訴求(誰に何と言って売るか)、オファー(価格・定期条件・特典)、同梱物とフォロー導線。この3つは在庫を捨てずに変えられます。
打てないのは、処方とパッケージです。原料の手配と製造ロットが動いている以上、90日で変えようとすれば在庫を捨てることになります。だからBELTHYは、発売前の設計段階で「90日では直せない部分」に時間を集中させます。
なお、逆に売れすぎた場合にも設計は要ります。初速が想定を超えて在庫が尽きると、供給が追いつかないまま売り時を逃します。品切れは損失にも資産にもなり、どちらになるかは「何倍まで出たら追加生産をかけるか」「品切れのあいだ何を伝えるか」を先に決めてあるかで分かれます。
まとめ
90日は採点ではなく観測です。初月の勢いを実力と読まず、再購入・解約・レビューの割れ方・問い合わせの中身で見る。打てるのは訴求・オファー・同梱物の3つで、変えられないものは発売前に決め切っておく。この順番が守れているかどうかで、2年目に残る商品かどうかが分かれます。
よくある質問
Q. 発売から90日、まったく動きません。撤退の判断はいつすべきですか。
A. 「知られていない」のか「知られた上で選ばれていない」のかを先に分けてください。前者なら商品の問題ではないので、まだ判断できません。撤退の材料になるのは後者だけです。
Q. レビューが少なすぎて、割れ方が分かりません。
A. レビューを待たず、購入者に直接聞くほうが早いです。10人に聞けば傾向は出ます。件数を待っているあいだに打てる手が減ります。
著者プロフィール
松尾和美(まつお・かずみ)/食品ブランドプロデューサー・管理栄養士。株式会社BELTHY代表。市場調査・コンセプト設計から処方・成分設計、OEM工場のディレクション、パッケージ、発売後90日の育成までを一気通貫で手がける。手がけた商品に、海外7カ国で展開し累計100万食を突破した甘酒スイーツブランド「AMAGURA」、発売初年度に10万袋・Amazonランキング1位を獲得した「NEOわらびもち」(商品開発・ディレクション・PRを担当)など。
間違えられない食品の開発は、BELTHYにご相談ください。市場調査・コンセプト設計から処方、OEMディレクション、発売後90日の育成まで一気通貫で伴走します。
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